PART3プラスチックのリサイクル

28 ケミカルリサイクルプラスチック図書館

ケミカルリサイクルとは

ケミカルリサイクルとは、廃棄物(はいきぶつ)化学的(かがくてき)処理(しょり)をして、原料(げんりょう)にもどしてからリサイクルすることです。

使い終わったプラスチックを油にもどしたり、ガスにして化学原料(げんりょう)にしたり、また、鉄をつくるときの還元(かんげん)(ざい)やコークスの代わりとして使う方法(ほうほう)もあります。

油化

プラスチックは石油を原料(げんりょう)に作られています。もしも、使い終わったプラスチックをすべて石油にもどせたら?1970年代後半から(はい)プラスチック油化技術(ぎじゅつ)の開発が進められ、その技術(ぎじゅつ)はほぼ確立(かくりつ)されました。

しかし大量(たいりょう)のエネルギーを必要(ひつよう)とすること、製品(せいひん)化するには原油(じょう)生成物(せいせいぶつ)(ふたた)分離(ぶんり)精製(せいせい)する工程(こうてい)必要(ひつよう)であることなどから、採算(さいさん)がとれず、2010年までに大型(おおがた)設備(せつび)撤退(てったい)しました。

油化のシステムを見る

ガス化

使用済(しようず)みのプラスチックの中で、いろいろなプラスチックが()ざっているものについては、マテリアルリサイクルしにくいと考えられてきました。

そのようなプラスチックも、すべてむだにすることなく、完全(かんぜん)にリサイクルできる方法(ほうほう)はないか、と考えられたのが、プラスチックを一度、(ねつ)分解(ぶんかい)してガスにする方法(ほうほう)です。

これを、プラスチックのガス化リサイクルシステムと()んでいます。この方法(ほうほう)回収(かいしゅう)した水素(すいそ)一酸化(いっさんか)炭素(たんそ)は、アンモニアや二酸化(にさんか)炭素(たんそ)などの原料(げんりょう)として使うことができます。

ガス化リサイクルの工程(こうてい)を見る

コークス()化学原料(げんりょう)

(はい)プラスチックを()()きにして、コークスや炭化水素(すいそ)油、コークス()ガスを作る方法(ほうほう)です。
木材(もくざい)()()きにして作るのは木炭ですが、石炭を1000℃以上(いじょう)(ねつ)()()きにして作るのがコークスです。木炭も石炭も燃料(ねんりょう)として使われますが、コークスは()やしたときに出るエネルギーが大きく、製鉄所(せいてつしょ)高炉(こうろ)燃料(ねんりょう)還元(かんげん)(ざい)として使われます。

コークス

コークス()化学原料(げんりょう)化のしくみを見る

高炉(こうろ)原料(げんりょう)

製鉄所(せいてつしょ)では、鉄鉱石(てっこうせき)酸化鉄(さんかてつ))とコークス(石炭を()()きにしたもの)を高炉(こうろ)という巨大(きょだい)反応(はんのう)容器(ようき)で化学反応(はんのう)させ、(わたし)たちの社会になくてはならない素材(そざい)である鉄を製造(せいぞう)しています。コークスは、鉄鉱石(てっこうせき)の主な成分(せいぶん)である酸化鉄(さんかてつ)から酸素(さんそ)をうばう役割(やくわり)還元(かんげん)という化学反応(はんのう))を()たします。

使用済(しようず)みプラスチックは石油を原料(げんりょう)にしているので、炭素(たんそ)水素(すいそ)からできています。この化学的(かがくてき)(とく)ちょうを生かし、工夫(くふう)して使えば、使い終わったプラスチックを製鉄所(せいてつしょ)でコークスの代わりに使えるかもしれない、と考えて開発されたのが、高炉(こうろ)原料(げんりょう)というリサイクルの方法(ほうほう)です。この方法(ほうほう)だと、貴重(きちょう)天然(てんねん)資源(しげん)である原料炭(げんりょうたん)節約(せつやく)ができるとともに、水素(すいそ)有効(ゆうこう)利用(りよう)(はか)れるため、排出(はいしゅつ)される二酸化(にさんか)炭素(たんそ)削減(さくげん)ができるという大きな利点(りてん)もあります。

参考資料・図版提供:JFEホールディング

高炉(こうろ)原料(げんりょう)化のシステムを見る

原料(げんりょう)・モノマー化

プラスチックをつくるときは、原料(げんりょう)のナフサに(ねつ)(くわ)え、「エチレン・プロピレン」「ベンゼン」など、プラスチックのもとになる製品(せいひん)原料(げんりょう)を作ります。これらは、「水素(すいそ)」と「炭素(たんそ)」がむすびついた「分子」です。この分子に化学反応(はんのう)を起こして、たくさんつなぎ合わせるとプラスチックができるわけです。

このとき、分子をたくさんつなぎ合わせることを重合といいます。分子のちがいによって、いろいろな種類(しゅるい)のプラスチックになります。たとえば、ポリエチレンはエチレンという分子が数千から数万結合(けつごう)してできた重合体です。このとき、もとになる分子の一つをモノマー、たくさんつなぎ合わさったものをポリマーといいます。

(ぎゃく)に、使い終わったプラスチックを、化学反応(はんのう)利用(りよう)して分解(ぶんかい)し(解重合(かいじゅうごう)といいます)、もとの製品(せいひん)原料(げんりょう)やモノマーまでもどすことを原料(げんりょう)・モノマー化()んでいます。
このプラスチックのモノマー化の技術(ぎじゅつ)があれば、どんなプラスチックも、リサイクルして同じ使い道で何度も使うことができるようになり、資源(しげん)節約(せつやく)することができます。

日本では、世界で(はじ)めて、ペットボトルをケミカルリサイクルしてもう一度飲料(いんりょう)用ペットボトルを作っていました。