私たちが出した廃プラスチックは、どこへ行って、どうなるの?
廃プラスチック処理の流れ
家庭から出る廃プラスチックは、大きく分けると資源(容器包装)、可燃ごみ、不燃ごみのいずれかとして処理されます。処理の流れは、基本的に下の図のようになります(家電、自動車、大型ごみに含
まれるプラスチックは除く)。
どんなプラスチックがどのように分別収集されるかは自治体によって異なります。
「可燃」として収集されたプラスチックも、熱利用や発電など有効利用されている場合もあります。
プラスチックのリサイクルには
3つの手法があるのよね。
プラスチックのリサイクル手法
プラスチックのリサイクル手法は、長年の技術開発によって著しく進歩し、今ではさまざまな手法が実用化されています。大きく分けて次の3つの手法があります。
マテリアルリサイクル | 廃プラスチックを溶かし、もう一度プラスチック原料やプラスチック製品に再生する方法 コンテナ、ベンチ、土木建築資材、シートなど |
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ケミカルリサイクル※1 | 廃プラスチックを化学的に分解するなどして化学原料に再生する方法 モノマー・原料化、高炉還元剤、ガス化、油化など |
サーマルリサイクル※2 | 廃プラスチックを焼却して熱エネルギーを回収したり、固形燃料にする方法 固形燃料化、セメント原燃料化、廃棄物発電、熱利用焼却など |
- ※1 ケミカルリサイクルについて、詳しくはこちら
- ※2 サーマルリサイクルについての補足説明
- 固形燃料化について:容器包装リサイクル法が認めているリサイクル手法は、3つのリサイクルのうち、マテ リアルリサイクルとケミカルリサイクルでしたが、2006年の法改正によって、補完的手法という条件付きな がら、固形燃料化の一部も追加されました。
- 廃棄物発電、熱利用焼却について:ごみを燃やすときに出る熱を利用することを熱利用、またこの熱を利用して電気を作ることを、ごみ発電または廃棄物発電といいます。多くの自治体では、焼却処理される可燃ごみも、 発電・熱回収などにより有効利用されています。
いちばん多いリサイクル手法はどれ?
利用しやすい産業系廃プラスチック
次のグラフは、廃プラスチックの処理処分方法のうちわけを示したものです。
家庭から出る廃プラスチックは「一般系」です。約80%を容器包装プラスチックが占めています。
「産業系」は、プラスチックの製造や加工、流通段階などで排出される廃プラスチックです。
単純焼却と埋立以外は有効利用されるプラスチックで、その割合は年々増えています。
家庭から出る廃プラは
マテリアルリサイクルの割合が低いわね。
どうして?
マテリアルリサイクルの占める割合は、一般系廃プラスチックが17%であるのに比べ、産業系廃プラスチックは30%です。これは、産業系廃プラスチックのほうが品質が一定で安定しているため、マテリアルリサイクルに適しているからです。
マテリアルリサイクルは廃プラスチックをプラスチックのまま原料にして新しい製品を作るリサイクル手法ですから、廃プラスチックに汚れや異物があったり、いろいろな種類の樹脂が混ざっている一般系廃プラスチックは、再生プラスチックの原料として使うことが難しいのです。一方、産業系廃プラスチックは樹脂の種類がはっきりしており、汚れや異物が少なく、まとまった量があるため、多くをマテリアルリサイクルに回すことができます。