公開日:2022.12.05
更新日:2024.09.30
「SDGs」ってなに?小学生のみなさんにわかりやすく解説 !
最近、SDGsという言葉をよく聞くようになりました。でも、SDGsの意味をちゃんと知っていますか?
SDGsでは、世界で起こっているさまざまな問題を解決・改善し、地球を未来につないでいくために必要な目標を、17の項目に分けて取り上げています。
ここでは、小学生のみなさんに向けて、SDGsについて分かりやすく説明します。また、小学生でもできるSDGsの取り組みについてもアドバイスします。
SDGsってなんだろう?
まず、SDGs という言葉を説明しましょう。
SDGsは、「Sustainable Development Goals」という英語の頭文字をとった言葉です。「エス・ディー・ジー・ズ」と呼びます。
日本語でいうと「持続可能な開発目標」という意味がある、世界で共通の目標です。
とはいえ、これだけでは「意味がよくわからない!」いう人も多いでしょう。もう少しくわしく説明しましょう。
この世界で、いつまで安心安全に暮らしたい。私たちは、みんなそう思っています。しかし世界には、環境問題や貧困、差別など、さまざまな問題があります。
SDGsは、こういった問題を一つひとつ解決・改善し、世界のすべての人が取り残されず、人間らしく暮らし続けていけることをめざしています。
SDGsは、2015年に、150をこえる国や地域の首脳が参加して開催された「国連持続可能な開発サミット」で決められました。そして、2016年から2030年の15年間で、目標を達成することを目指しています。
SDGsで取り上げている問題が解決・改善されることで、私たちが人間らしく暮らし続けていくために必要な「経済」「社会」そして「環境」の3つが、バランス良く続いていくことが大切です。
SDGsの目標を達成することを目指す2030年まで、もう10年もありません。未来を生きる小学生のみなさんが大人になったとき、より良い世界になっているための大きな目標なのです。
SDGsには17の目標がある
SDGsには17の目標があり、2030年までに達成することを目指しています。
そして、「どの問題を、だれがどのようにして取り組むか」という具体的な取り組みをしめした、169の「ターゲット」から成り立っています。
SDGsの17の目標を、簡単(かんたん)に紹介(しょうかい)します。
1 | 貧困を無くそう |
---|---|
2 | 飢餓をゼロに |
3 | すべての人に健康と福祉を |
4 | 質の高い教育をみんなに |
5 | ジェンダー平等を実現しよう |
6 | 安全な水とトイレを世界中に |
7 | エネルギーをみんなに そしてクリーンに |
8 | 働きがいも経済成長も |
9 | 産業と技術革新の基盤をつくろう |
10 | 人や国の不平等をなくそう |
11 | 住み続けられるまちづくりを |
12 | つくる責任 つかう責任 |
13 | 気候変動に具体的な対策を |
14 | 海の豊かさを守ろう |
15 | 陸の豊かさも守ろう |
16 | 平和と公正をすべての人に |
17 | パートナーシップで目標を達成しよう |
どうですか?どれも、みなさんの未来のために大切なことばかりですよね。
それぞれの目標は、バラバラに考えるものではなく、それぞれが深く関係性でつながっています。
SDGsの「5つのP」
SDGsには、17の目標があります。でも、17のことを考えるのはちょっと大変ですよね。
そんなときは、英語の「P」にちなんだ5つのキーワードでSDGsを考えると、わかりやすくなります。
SDGsの「5つのP」
(1)人間(People)
だれもが人間らしく生きていくために、保証されなければならない項目です。
貧困や飢餓、健康、教育など、目標の1〜6がそれに当たります。
(2)豊かさ(Prosperity)
エネルギー問題や経済問題、技術産業、住み続けられるまちづくりなどについての項目です。
目標の7〜11がそれに当たります。
(3)地球(Planet)
私たちが暮らす世界の、自然環境についての項目です。
資源を大切にする、気候変動対策、海や陸の環境を守ることなど、目標の12〜15がそれに当たります。
(4)平和(Peace)
戦争や暴力などのない、平和な世界をつくるための項目です。
目標の16がそれに当たります。
(5)パートナーシップ(Partnership)
小学生ができるSDGs
SDGsは、世界規模の問題を解決・改善するための大きな取り組みです。しかしここで 大切なのは、小学生のみなさんが、自分はどんなことが出来るかを考えてzすることです。
なぜなら、一人ひとりの小さな行動が、大きなちからにつながっていくからです。
ここでは、具体的に小学生のみなさんでもできるSDGsの取り組みを紹介しましょう。
小学生ができるSDGsの取り組み
小学生でもできる身近なSDGsの取り組みを、例として5つ紹介します。
(1)電気やガスなどのムダづかいをなくす
私たちが普段何気なく使っている電気やガスは、主に石油や石炭、天然ガスといった化石燃料を使ってつくられています。
こういった化石燃料は限られた資源なので、いつかなくなってしまう可能性があります。
また、化石燃料をもとにエネルギーを作るときに、たくさんの二酸化炭素が発生し、それが地球温暖化の原因ともなっています。
その一方で、世界には今も、貧困などの理由で、エネルギーを満足に使えない国や人々がいます。
私たちは電気やガスなどをムダに使わず、大切に使うことを心がけましょう。
(2)ものを大切に使う
私たちが生活の中で使っているものは、石油など限りある資源からできているものが少なくありません。
「すこし古くなったから」「もうデザインに飽きたから」といった理由で、 まだ使えるものを簡単に捨ててしまっては、資源のむだづかいになり、ごみが増えることになります。
ものは 大切に使うようにしましょう。
(3)フードロスを少なくする
日本では、食べ残しや、賞味期限が切れて捨てられてしまう食べ物が、たいへん多く出ています。
こういった、まだ食べられるのに捨すてられてしまう食べものの問題を「フードロス(食品ロス)」といいます。
日本で出ているフードロスは、スーパーマーケットや飲食店(いんしょくてん)などの事業系(じぎょうけい)のフードロスが年間236万トン、家庭で出ているフードロスが236万トンもあり、合計500万トン近くの食べ物が、食べられることなく捨てられています。(2022年度)
これは、日本人1人あたりに置きかえると、お茶碗1杯分ほどの食べものが、毎日捨てられている計算になるとされています。
家庭でフードロスが起こる原因は、買いすぎや、保存のしかたが悪くて捨てられたり、作りすぎや、好ききらいで食べ残したりすることで起こります。
その一方で、世界には飢えに苦しんでいる人も多いことも忘れてはいけません。
家でご飯を食べるときは、必要な食べ物を、なるべく必要なだけ買って食べるようにしましょう。
また、レストランなどで外食をするときは、食べられる量だけを注文し、食べきるようにしましょう。
参考:環境省「我が国の食品廃棄物等及び食品ロスの発生量の推計値(2022年度)の公表について」
消費者庁「食品ロスって何?」
(4)マイバッグやマイボトルを持ち歩く
何回も使えるマイバッグをふだんから持ち歩いていれば、買い物をするときにレジ袋を買うこともなくなるでしょう。
また、外出先でペットボトルの飲みものを買うよりも、マイボトルに飲みものを入れておけば、ペットボトルのごみを余分に出さずにすみます。
(5)ポイ捨てを絶対(ぜったい)にしない
ごみは、ポイ捨てや不法投棄を絶対にしないようにしましょう。ルールを守って、キチンとごみ箱などに捨てるようにしましょう。
環境破壊からこの地球を守るために大切なことは、ごみを自然の中に出さないことです。
(6)リサイクルの意識を高める
使い終わったものが、また別のものに生まれ変わって使えるように、リサイクルの意識を高めましょう。リサイクルが進めば、資源の使用量が減ります。
特にプラスチック製品は、限りある資源の石油からできています。プラスチックのリサイクルが進めば、石油の使用量が減り、ごみになるプラスチックも減ります。
また、原料の採取や輸送、廃棄などの作業で出る二酸化炭素の量も減らすことができます。
このように考えると、プラスチック以外の素材(そざい)を使うよりも、上手にプラスチックを使い、上手にリサイクルする方が、エコになる場合も少なくないのです。
プラスチックのリサイクル意識を高めることが身近にできるSDGs
私たちが使っているものは、リサイクルすれば、また形を変えて再利用することができます。
その身近な例が、ペットボトルなどプラスチックのリサイクルです。
プラスチックには、「マテリアルリサイクル」と「ケミカルリサイクル」、そして「サーマルリサイクル」の3つのリサイクルの方法があります。
(1)マテリアルリサイクル
回収されたプラスチックを溶かして、もう一度物の原料として使うリサイクルです。
作業着やベンチ、建築資材、シート、ボトル、文具など、さまざまなものに生まれ変わります。
(2)ケミカルリサイクル
回収されたプラスチックを、化学工場や製鉄所で、原料として利用します。
鉄を作るときの還元剤や、化学製品の原料、ガス、油などに生まれ変わります。
(3)サーマルリサイクル
回収したプラスチックを燃やして、熱エネルギーとして利用します。
燃料や、温水(プールや浴場など)、暖房、電池などに生まれ変わります。
正しいごみの分別がリサイクルには大切!
プラスチックのリサイクルは、リサイクル専門の会社さんが行うことなので、私たち自身が直接リサイクルすることはできません。しかし、リサイクルのお手伝いはできます。
このようなプラスチックのリサイクルをするには、私たちが正しくごみを分別して出す必要があります。
なぜなら、回収されたプラスチックにプラスチック以外のものがまじっていると、プラスチックとしてリサイクルできなくなるかもしれないからです。
使ったあとのプラスチック資源ごみは、住んでいる町の分別ルールを守って、正しくごみ出しをしましょう。
リサイクルされたプラスチックは、さまざまな形で、また私たちの役に立ってくれます。
小学生のみなさんも、身近なSDGsの第一歩として、正しいごみの分別を心がけましょう。
まとめ
ちょっと見ただけでは難しそうなSDGsですが、私たちの未来を考える上で、とても大切なことだとわかったと思います。
私たち一人ひとりが、自分でも何ができるかを考え、実践していきましょう。
そして全員で、SDGsの掲げる目標に向かって前進していきましょう。
アーカイブ