こんなにもプラスチックが使われるのは、どうしてだろう?
プラスチックにも短所があると思うんだけど?
プラスチックの長所と短所
プラスチックにはたくさんの長所がある一方、もちろん短所もあり、万能ではありません。
成形しやすいという長所は、一方では熱に弱いという短所になります。電気絶縁性が高いと、表面に静電気が起きてホコリが付着してしまいます。
プラスチック業界では、長所を活かし、短所をカバーしながら、原料の特徴をうまく組み合わせていろいろな分野の製品を作っています。
だけど、性能としての短所より、
廃棄したあとのほうが
問題なんじゃないかな?
そうですね。例えば容器包装プラスチックは消費者の手元に届くまでの長い時間に多くのメリットがあるのですが、消費者の手元に届くとすぐに「要らないもの」になってしまい、廃棄物になってからのほうが注目されがちです。そうなると、腐食しないという利点も、自然に還らないという欠点になりますし、軽いため、ごみがかさばってしまうという難点もあります。多種多様なプラスチックが開発されることで、ごみの種類も多種多様になり、そのことが廃プラスチックの処理やリサイクルを複雑化しているといえます。
ひとつの特性が
長所にも短所にも
なるんだね。
また、プラスチックは木製品や金属に比べ、使い方や環境次第で寿命が短くなってしまうことがあります。これは高分子化合物であるプラスチックの本質的欠点ともいえることですが、紫外線や酸素、熱などさまざまな原因によって高分子鎖が切断されてしまうと、もとのプラスチックの特性を発揮することができないため、廃棄せざるを得なくなります。だからこそ、どのようにリサイクルするかが大切になってくるのです。
プラスチックにとって、利便性とごみ問題は表裏一体。プラスチック業界では、リサイクルの手法や、よりリサイクルしやすい製品の開発など、さまざまな技術的努力が日々続けられています。