身のまわりには、プラスチック製品があふれてる。
プラスチックの生産量を減らせば、石油の輸入量をすごく減らせるのでは?
プラスチック生産に使われる原油は、わずか3%(2022年)
日本では、原油を精製して得られるナフサから石油化学製品を作ります。
2022年に消費されたナフサの量は約3,639万キロリットル※1(質量換算すると約2,547万トン※2)です。内訳は、日本が輸入した原油を精製して得られたナフサが1,419万キロリットル※1、ナフサ単独で輸入した量が2,220万キロリットル※1です。この中から951万トン※1のプラスチックが製造されました。ナフサ3,639万キロリットルは、
原油3億9千万キロリットル※3(3億3千万トン※2)から得られます。したがって、プラスチックの生産に使われた原油の割合は、割合にすると約3%となります。
※1 石油化学工業会「石油化学工業の現状」2022年版より。
※2 液体である原油やナフサは体積(キロリットル)で表し、固体であるプラスチックは質量(トン)で表します。このため、原油とナフサの体積を質量に換算して計算しています。(密度は、原油0.85g/cm3、ナフサ0.7g/cm3)
※3 輸入したナフサを精製するのに使われた原油の量を含みます。
意外と少ないのね。
プラスチックを減らしても…?
プラスチックは製造段階で石油などのエネルギー資源を消費しますが、使用段階では、逆にエネルギー資源の節約になる場合がたくさんあります。生産時に発生する環境負荷の量より、使用時に減らせる環境負荷の量のほうが多いため、トータルで環境負荷の低減が図れます。
プラスチックの代わりに他の素材を使った場合、それがプラスチックより重ければ、輸送時に多くのエネルギーを消費します。食品の容器包装に使う素材が密閉性の悪いものであったり、空気や酸素を遮断する性質がプラスチックより劣る場合は、中身の品質を保つために冷蔵・冷凍が必要になるなど、より多くのエネルギーを消費することになるでしょう。
このように、省エネや環境を考えるときは、製品のライフサイクル全般を定量的に評価するLCA(ライフサイクルアセスメント)的なものの見方が大切になってくるのです。(LCAについて詳しくは、こちら)
なるほど。
作るときのエネルギー消費量だけでなく、
使うときのエネルギー消費量も考えないとね。