公開日:2022.11.07
更新日:2022.12.20
ケミカルリサイクル
- 目次
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- 1. ケミカルリサイクルとは
- 2. 油化
- 3. ガス化
- 4. コークス
炉 化学原料 化 - 5.
高炉 原料 化 - 6.
原料 ・モノマー化 - 7.
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ケミカルリサイクルとは
使い終わったプラスチックを油にもどしたり、ガスにして化学原料にしたり、また、鉄をつくるときの還元剤やコークスの代わりとして使う方法もあります。
油化
プラスチックは石油を原料に作られています。もしも、使い終わったプラスチックをすべて石油にもどせたら?1970年代後半から廃プラスチック油化技術の開発が進められ、その技術はほぼ確立されました。
しかし大量のエネルギーを必要とすること、製品化するには原油状の生成物を再び分離・精製する工程が必要であることなどから、採算がとれず、2010年までに大型設備が撤退しました。
ガス化
使用済みのプラスチックの中で、いろいろなプラスチックが混ざっているものについては、マテリアルリサイクルしにくいと考えられてきました。
そのようなプラスチックも、すべてむだにすることなく、完全にリサイクルできる方法はないか、と考えられたのが、プラスチックを一度、熱で分解してガスにする方法です。
これを、プラスチックのガス化リサイクルシステムと呼んでいます。この方法で回収した水素や一酸化炭素は、アンモニアや二酸化炭素などの原料として使うことができます。
コークス炉 化学原料 化
廃プラスチックを蒸し焼きにして、コークスや炭化水素油、コークス炉ガスを作る方法です。
木材を蒸し焼きにして作るのは木炭ですが、石炭を1000℃以上の熱で蒸し焼きにして作るのがコークスです。木炭も石炭も燃料として使われますが、コークスは燃やしたときに出るエネルギーが大きく、製鉄所の高炉の燃料や還元剤として使われます。
高炉 原料 化
製鉄所では、鉄鉱石(酸化鉄)とコークス(石炭を蒸し焼きにしたもの)を高炉という巨大な反応容器で化学反応させ、私たちの社会になくてはならない素材である鉄を製造しています。コークスは、鉄鉱石の主な成分である酸化鉄から酸素をうばう役割(還元という化学反応)を果たします。
使用済みプラスチックは石油を原料にしているので、炭素と水素からできています。この化学的特ちょうを生かし、工夫して使えば、使い終わったプラスチックを製鉄所でコークスの代わりに使えるかもしれない、と考えて開発されたのが、高炉原料化というリサイクルの方法です。この方法だと、貴重な天然資源である原料炭の節約ができるとともに、水素の有効利用が図れるため、排出される二酸化炭素の削減ができるという大きな利点もあります。
原料 ・モノマー化
プラスチックをつくるときは、原料のナフサに熱を加え、「エチレン・プロピレン」「ベンゼン」など、プラスチックのもとになる製品原料を作ります。これらは、「水素」と「炭素」がむすびついた「分子」です。この分子に化学反応を起こして、たくさんつなぎ合わせるとプラスチックができるわけです。
このとき、分子をたくさんつなぎ合わせることを重合といいます。分子のちがいによって、いろいろな種類のプラスチックになります。たとえば、ポリエチレンはエチレンという分子が数千から数万結合してできた重合体です。このとき、もとになる分子の一つをモノマー、たくさんつなぎ合わさったものをポリマーといいます。
逆に、使い終わったプラスチックを、化学反応を利用して分解し(解重合といいます)、もとの製品原料やモノマーまでもどすことを原料・モノマー化と呼んでいます。
このプラスチックのモノマー化の技術があれば、どんなプラスチックも、リサイクルして同じ使い道で何度も使うことができるようになり、資源を節約することができます。
日本では、世界で初めて、ペットボトルをケミカルリサイクルしてもう一度飲料用ペットボトルを作っていました。
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サーマルリサイクル
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ケミカルリサイクルとは、廃棄物に化学的な処理をして、原料にもどしてからリサイクルすることです。