公開日:2022.11.08
更新日:2022.12.20
なるほどプラスチック!
プラスチックの作り方から、プラスチックの特徴、さらにくらしの中でのプラスチックの活用など、プラスチックの基礎をわかりやすく解説しています。プラスチックのイロハを知りたいならまずはこちらの動画をどうぞ!
プラスチックは何からできているの?
プラスチックは人工的な有機物
プラスチックは、石油などを原料にして作られた、人工的な有機物のことです。
有機物ってなに?
有機物というのは、有機化合物のことで、炭素を含(ふく)む化合物の中で、炭素と酸素からなるものをいいます。
有機物には、生きものの体内で作られる炭水化物やたんぱく質、脂肪などのほか、人工的に作られたものがあります。
プラスチックは、人工的に作られた有機物にあたります。
プラスチックはナフサという油から作られる
ほとんどのプラスチックは、石油からできるナフサという油を原料にして作られています。
このナフサは<ruby>液体<rt>えきたい</rt></ruby>ですが、摂氏800度以上の高温の炉の中に送り込むと、「熱分解反応」を起こし、エチレンやプロピレンなどの気体に分解されます。
これが、プラスチックのもとになる原料です。
プラスチックは「自由に形を作ることができるもの」
ナフサを高温で気体に分解した原料をもとに、化学的な方法を使って、分子の合わせ方を変えていくことで、さまざまな性質のプラスチックを作ることができます。
「プラスチック」という言葉には、「自由に形を作ることができるもの」という意味があります。
その言葉のとおり、いろいろな形に加工しやすいことが、プラスチックの特徴です。
では、次のコーナーからは、プラスチックを使うとどんな便利なことがあるのかを見ていきましょう。
プラスチックを使うと、どんな便利なことがあるの?
プラスチックを使うと、さまざまな場面で便利なことがたくさんあります。それは例えば、こんなところです。
なるほど便利!プラスチック
割れない!軽い!ペットボトル
ガラスだった飲みものの容器が、プラスチックのペットボトルになりました。どうして、びんよりもペットボトルの方が便利なのでしょうか?
ひとつは、容器の重さです。ガラスのびんは重いので、運ぶのが大変でした。そして落としてしまうと、割れてしまうこともありました。
しかし、ペットボトルなら大丈夫です。軽いので、持ち運びがラクラクです。また、落としても割れません。
また、いちどキャップを開けても、また閉めることができます。ですから水筒がわりに、手軽に持ち歩くこともできるようになりました。
プラスチックで電気コードも安心!
この電気コードは、金属線を、ポリ塩化ビニル(PVC)というプラスチックで覆っています。
プラスチックで覆っていなかったら、金属がむき出しになって電気に感電してしまい、とても危険です。
ですから、電気を通さないプラスチックで覆うのです。これなら安全です。
では、プラスチックの代わりに、電気を通さない紙で金属線を包んだら、どうでしょうか。
しかし紙では、電気が金属線を通るときに出す熱で、燃えてしまうかもしれません。ですから、紙よりも燃えにくいポリ塩化ビニルの方が、良いでしょう。
では、電線を木で包んだらどうでしょうか?いやいや、木は曲がらないので、使いにくそうです。
電気を通さず、自由に曲げられるポリ塩化ビニルが、電気コードの材料には、やっぱりいいですね。
なるほど安全!プラスチック
軽くて丈夫、そして長持ち!水道管や下水管
水道管や下水管には、ポリ塩化ビニル(PVC)や、ポリエチレン(PE) というプラスチックが使われています。
プラスチックは、金属より断然軽くて、しかも丈夫。さらに、金属とちがって、水に強く、錆びることがありません。ですから水道管や下水管は、プラスチックの材料に、最適なのです。
なるほど快適!プラスチック
断熱性が高くて快適な窓枠
窓枠にも、プラスチックが使われています。
プラスチック製の窓枠は、金属のアルミニウムに比べると、1000分の1しか熱を伝えないという特徴があります。
断熱性が高いので、室内の温度を快適に保つので、エネルギー消費が少なくてすみます。
そして、プラスチック製の窓枠は、冬の結露も防いでくれます。
快適なプラスチック製の繊維
アスリートが身につけるスポーツウェアにも、プラスチック製の繊維が使われています。汗をよく吸い、すばやく乾かすという速乾性が特徴です。
また、寒さから身を守る保温性や、蒸れずに水を防ぐ防水性、水をはじく撥水性、動きやすい伸縮性など、さまざまな特徴があります。
このように、アスリートの最高のパフォーマンスを引き出すための、新しい高機能の素材が開発されてきたのです。
また、このような新しい素材は、一般向けの衣類にも使われるようになり、私たちの快適な暮らしを支えています。
なるほど!こんなところにもプラスチック
スポーツやレジャーにもプラスチック
スポーツやレジャーの現場では、衣類のほかにも、オートバイ用のヘルメットや、競技用車いすの素材も、プラスチックでできています。
スポーツ用品には、軽くて丈夫なプラスチックの特性が、十分に活用されています。スポーツ、レジャーでもプラスチックです!
赤ちゃんのおむつにもプラスチック
赤ちゃんが使うおむつにも、プラスチックが使われています。おしっこを吸い取る、吸水性樹脂も、プラスチックの一種です。
また、浄水器のろ過フィルターにも、実はプラスチックが使われています。
ちょっと意外でしょ?なるほど、こんなところにもプラスチック!
医療や衛生にもプラスチック
医療や福祉、衛生の現場でも、プラスチックは使われています。
例えば、感染症の予防に使われる飛沫防止シート。これもプラスチックでできています。透明で軽く、しかも丈夫なプラスチックは、飛沫防止シートに最適です。
ガラスでは、軽くて丈夫な飛沫防止シートは作れません。
また、不織布のマスクにも、プラスチックの繊維が使われています。
そのほかにも、メガネ、コンタクトレンズや、医療現場で使われる防護服、アフリカなどで使われている、マラリア予防の蚊帳(蚊をよせつけない網)なども、プラスチックで作られています。
このようにプラスチックは、医療や福祉の現場でも活躍しています。
プラスチックはいろいろなところで使われている!
ここでは、プラチックがいろいろなところで使われることを、実例を通して紹介してきました。
なぜ、これほどプラチックが広く使われているのか?それには、理由があるということが、お分かりいただけたと思います。
なるほど、プラスチック!
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