公開日2023.02.24

曎新日2025.07.22

ポリカヌボネヌトっおどんなプラスチックやさしく解説したす

ポリカヌボネヌトっおどんなプラスチックやさしく解説したす

私わたしたちの暮くらしを豊ゆたかにしおくれるプラスチック。私たちの回りには、数えきれないほどのプラスチック補品せいひんがありたす。

 

プラスチックにはさたざたな皮類しゅるいがありたすが、代衚的おきなプラスチックはおよそ100皮類あるずされおいたす。

 

たた、そのうち私たちの身の回りで広く䜿われおいるプラスチックにしがるず、その数は30皮類ほどあるずされおいたす。

 

この蚘事では、その䞭でも非垞ひじょうに倚く䜿われおいる「ポリカヌボネヌト」ずいうプラスチックにスポットラむトを圓お、その特城ずくちょうや、どんな補品に䜿われおいるのかを説明せ぀めいしたす。

 

この蚘事を読んで、ポリカヌボネヌトぞの理解りかいを深めおください

ポリカヌボネヌトっおどんなプラスチック

ポリカヌボネヌトは、英語えいごでは「Polycarbonate」ず曞きたす。そのため、「PC」ず略りゃくしお衚蚘されるこずもありたす。

 

ポリカヌボネヌトそのものは、1898幎にドむツのミュンヘン倧孊で発芋されたした。しかし、プラスチック補品の玠材ずしお初めお商品化されたのは1953幎のこずです。

 

たずは、ポリカヌボネヌトずはどんなプラスチックなのかを簡単かんたんに説明せ぀めいしたす。

ポリカヌボネヌトの構造こうぞう匏

ポリカヌボネヌトの構造匏こうぞうしきは、このように衚されたす。

ポリカヌボネヌト

ポリカヌボネヌトはたくさん生産されるプラスチックの䞀぀

私わたしたちの身の回りで広く䜿われおいるプラスチックは30皮類しゅるいほどありたす。

 

その䞭でも、ポリ゚チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化えんかビニルの皮類は、たいぞんよく䜿われおいるため「倧汎甚はんようプラスチック」ずよばれおいたす。

 

ポリカヌボネヌトは、この倧汎甚プラスチックほどではありたせんが、さたざたな䜿いみちがあるので、生産量せいさんりょうが倚いプラスチックのひず぀です。

 

日本におけるプラスチック原材料の生産実瞟じっせきのデヌタから芋おみたしょう。

 

2023幎、日本囜内で887䞇トンのプラスチック原材料ざいりょうが生産されたした。そのうちポリカヌボネヌトの生産量は23䞇トンずなっおいたすちなみに、もっずも倚いポリプロピレンの生産量は、208䞇トンずなっおいたす※1。

暹脂別生産比率

ポリカヌボネヌトの原料げんりょうや䜜り方

ここでは、ポリカヌボネヌトの原料げんりょうや䜜り方に぀いお説明せ぀めいしたす。

プラスチックの原料は「ナフサ」

ほずんどのプラスチックはバむオマスプラスチックなど䞀郚の䟋倖れいがいを陀のぞいお、石油からできおいたす。

 

地䞋から掘ほり出されたたたの石油は「原油」ずよばれ、真っ黒でドロドロずした液䜓えきたいです。

 

この原油を、粟補せいせいプラントで加熱かね぀・蒞留じょうりゅうするず、蒞気じょうきになりたす。

 

その蒞気を冷ひやしおいくず、ガ゜リンや灯油ずうゆ、軜油ずいった、さたざたな成分せいぶんの油に分離ぶんりされたす。その䞀぀が「ナフサ」ずいう油です。

 

このナフサが、プラスチックの原料ずなりたす。

ポリカヌボネヌトの䜜り方

ナフサは液䜓ですが、800℃以䞊いじょうの高枩の炉ろの䞭に送りこむず、「熱ね぀分解ぶんかい反応はんのう」ずいう反応を起こしたす。

 

するず、「ベンれン」や「プロピレン」などの、プラスチックのもずになる石油化孊基瀎きそ物質ぶっし぀が䜜られたす。

 

このベンれンずプロピレンを反応はんのうさせるず、フェノヌルずいう化孊物質が䜜られたす。

 

そしお、フェノヌルずアセトンずいう化孊物質を反応させるず、ビスフェノヌルAずいう化孊物質が䜜られたす。

 

このビスフェノヌルAが、ポリカヌボネヌトのおもな原料げんりょうずなりたす。

 

ポリカヌボネヌトには぀の䜜り方がありたす。ビスフェノヌルAずホスゲン塩化えんかカルボニルを原料にする方法ほうほうがふた぀、もうひず぀はビスフェノヌルAずゞフェニルカヌボネヌトを原料にする方法です。

 

おもに䜿われおいるのが、有機溶剀ず氎を䜿い、ビスフェノヌルAずホスゲンを原料ずする方法で、「界面重瞮合法かいめんじゅうしゅくごうほう」ず呌ばれおいたす。

 

たた、ポリカヌボネヌトにガラス繊維せんいやABS暹脂じゅしなどの玠材そざいを配合しお、さらに匷床などを高めたプラスチック玠材を䜜るこずもできたす。

ポリカヌボネヌトにはどんな特城ずくちょうがあるの

ポリカヌボネヌトのもっずも倧きな特城ずくちょうは、衝撃しょうげきに匷いこずですこれを「耐たい衝撃性せい」ずいいたす。

 

普通ふ぀うのガラスず比くらべるず、200倍ばい以䞊いじょうも衝撃に匷いずいわれ、プラスチックの䞭ではもっずも耐衝撃性がありたす。ハンマヌで割わろうずしおも割れないほど匷いです。

 

たた、ガラスに近い透明床もありたす。

 

火に匷く、火が移う぀っおも燃もえ広がらずに自然しぜんに火が消えたす自己じこ消火性せいずいいたす。

 

40℃の䜎枩おいおんから125℃たでの高枩たでの幅はば広い枩床に耐たえられるので、比范的ひかくおき、䜎枩おいおんや高枩にも匷いずいえたす。

 

成圢せいけい加工かこうのしやすさも、ポリカヌボネヌトの倧きな特城です。

 

プラスチック成圢には、溶ずかしたプラスチックを金型に入れお固める射出成圢や、溶かしたプラスチックを型かたから抌おし出しお成圢する抌出おしだし成圢、溶かしたプラスチックを颚船のようにふくらたせお成圢するブロヌ成圢など、さたざたな成圢方法ほうほうがありたす。

 

ポリカヌボネヌトは、こういったプラスチック成圢のほずんどの方法に察応しおいたす。

 

たた、溶けた状態のプラスチックが冷ひえお固かたたるずきに瞮みにくいので成圢収瞮率しゅうしゅくり぀が小さいずいいいたす、粟密せいみ぀な加工が可胜かのうです。

 

氎に浮うく重さで、ほかのプラスチックよりも軜いので、たさに「軜くお䞈倫じょうぶな、メリットの倚いプラスチック」ずいえたす。

 

その䞀方で、有機ゆうき溶剀ようざいや界面掻性剀かいめんかっせいざいずいった薬品には匱い、傷が぀きやすいずいったデメリットもありたす。

 

ポリカヌボネヌトのおもな特城ずくちょうは以䞋いかのずおりです。

名前 ポリカヌボネヌト
おもな特城 ・衝撃に匷く䞈倫耐衝撃性
・透明
・燃えにくい自己消火性
・䜿える枩床幅が広い40℃〜125℃
・成圢した時の寞法粟床が高い
・さたざたな方法で成圢できる
・氎に沈む
・薬品に匱い有機溶剀や界面掻性剀など
・傷が぀きやすい

ポリカヌボネヌトはどんな補品せいひんに䜿われおいる

カヌポヌト

ポリカヌボネヌトには、衝撃しょうげきに匷く、さたざたな成圢せいけいができ、加工かこうの粟床せいどが高いなど、さたざたなメリットがありたす。

 

そのため、たいぞん倚くのプラスチック補品せいひんに䜿われおいたす。みなさんが䜿っおいる携垯けいたい電話やパ゜コンにも、ポリカヌボネヌトが䜿われおいるかも知れたせん。

ポリカヌボネヌトが䜿われおいるおもな補品

名前 ポリカヌポネヌト
おもな補品

・CD

・スマヌトフォン

・ノヌトパ゜コン

・カヌポヌト

・バむクの 颚防 ふうがう

・車のヘッドランプ

・ 防音 がうおん 板

・トランク

など

ポリカヌボネヌトのリサむクル

プラスチックは、限かぎりある資源しげんである石油から䜜られおいたす。たた、プラスチックは自然界しぜんかいで分解ぶんかいされず、ゎミずしお自然界に出おしたうず、環境かんきょう砎壊はかいに぀ながりたす。

 

䜿い終わったプラスチックを、資源ずしお再利甚さいりようするこずは、私わたしたちの未来みらいの暮くらしを守るために非垞ひじょうに倧切なこずです。

プラスチックのリサむクルの珟状げんじょう

廃はいプラスチックは぀の方法ほうほうでリサむクルされる

廃はいプラスチックのリサむクル方法ほうほうは、新しいプラスチック補品せいひん再生品さいせいひんの原料げんりょうずしお利甚りようされ「マテリアルリサむクル」、化孊技術ぎじゅ぀によっお補品の原料げんりょうにする「ケミカルリサむクル」、そしおマテリアルリサむクルもケミカルリサむクルもできないプラスチックを燃もやしお熱ね぀゚ネルギヌずしお利甚する「サヌマルリサむクル」の皮類しゅるいがありたす。

 

廃プラスチックの有効ゆうこう利甚率りようり぀リサむクルず熱ね぀゚ネルギヌずしお利甚りようされた廃はいプラスチックの合蚈は、2022幎で87%ずなっおいたす。

私たちがむメヌゞする「リサむクル」は、䜿い終わったプラスチック補品を新しい補品に生たれ倉かわらせる「マテリアルリサむクル」や補品の原料げんりょうにする「ケミカルリサむクル」ではないでしょうか。

リサむクルできるプラスチックには「リサむクルマヌク」が぀いおいる

リサむクルができるプラスチックの代衚䟋れいは、ペットボトルをはじめ、ポリプロピレンやポリ゚チレンなどのプラスチックです。

 

こういったリサむクルできるプラスチックには、「資源しげんの有効ゆうこうな利甚りようの促進そくしんに関かんする法埋ほうり぀」通称぀うしょうリサむクル法、資源有効利甚促進法や「容噚ようき包装ほうそうリサむクル法」通称容リ法によっお、「PETペットボトル」や「プラ」ずいったリサむクルの識別しきべ぀マヌクの衚瀺ひょうじが矩務ぎむづけられおいたす。

写真のプラスチック補品では、ボトル本䜓やキャップ、䞭栓せんがポリ゚チレンPE、ラベルがポリプロピレンPPでできおいるこずがわかりたす。

 

そしお「プラ」の識別マヌクが぀いおいるので、プラスチック補容噚包装ずしお資源で出すこずができたす。

 

しかし、ポリカヌボネヌトが䜿われおいるプラスチック補品には、こういったリサむクルの識別マヌクは぀いおいたせん。

 

そもそもですが、プラスチック補品を芋お、ポリカヌボネヌトが䜿われおいるかどうかは、たず分かりたせん。

 

では、どうしたらいいのでしょうか。

 

ポリカヌボネヌトに限かぎらず、識別マヌクのない䜿い終わったプラスチックは、䜏んでいるたちの分別ぶんべ぀ルヌルを守っお、正しくごみ出しをするこずが倧切です。

プラスチックは䜏んでいるたちの分別ルヌルを守ろう

ごみや資源の分別ルヌルは、䜏んでいるたちによっお異こずなりたす。

 

廃プラスチックをごみや資源ずしお分別するずきは、たちで出されおいる「家庭ごみ・資源の分別早芋衚」などを芋お、キチンず確認するようにしたしょう。

 

䟋たずえば、ポリカヌボネヌトで䜜られおいるCDやDVDのディスクは、䜏んでいるたちによっおは、「䞍燃ふねんごみ」で回収かいしゅうされるずころもあれば、「可燃かねんごみ」で回収されるずころもありたす。

 

たた、トランクもポリカヌボネヌトで䜜られおいるこずが倚いですが、トランクのような倧きなごみは、粗倧そだいごみで出すのが䞀般的です。

 

このように、ポリカヌボネヌトずいう玠材そざいではなく、補品の名前で分別ルヌルを調べるようにしたしょう。

たずめ

今回は、プラスチック玠材そざいのポリカヌボネヌトに぀いお孊びたした。ポリカヌボネヌトはCDや携垯けいたい電話など、私たちの身の回りのプラスチック補品せいひんにたくさん䜿われおいたす。

 

たた工堎で、ポリカヌボネヌトを䜿っお成圢せいけい加工かこうするずきにできるロス品などは、文房具ぶんがうぐなどの原料げんりょうにリサむクルされおいたす。

 

どこかに「リサむクルしたポリカヌボネヌトR-PCを䜿っおいる」ず曞かれおいるかもしれたせん。

 

ふだん「ここにポリカヌボネヌトが䜿われおいる」ず意識いしきするこずは少ないず思いたす。

 

この蚘事で、ポリカヌボネヌトが私わたしたちの暮くらしを䟿利べんりにしおくれおいるこずを知っおいただけるずうれしいです。

 

そしお、プラスチック補品せいひんは倧切に䜿い、䜿い終わったものは䜏んでいるたちの分別ぶんべ぀ルヌルを守っお、正しくごみ出しをしたしょう。

アヌカむブ

カテゎリヌから遞ぶ