公開日:2024.04.08

更新日:2024.04.09

使い終わったアクリル板 どのようにリサイクルするの?

使い終わったアクリル板 どのようにリサイクルするの?

アクリル板ってなに?

学校やレストランなどでみなさんがよく目にする透明とうめいのパーテーション。これがアクリル板です。新型コロナウイルスの飛まつ感染防止のために、使われることが増えましたね。きとおっていているので、人と人が顔を合わせる場所にぴったりです。ガラスよりも軽く、割れにくく、万が一割れても破片が散ることは少なく、より安全にあつかうことができます。また、水や太陽の光にあたっても色や透きとおりが変わりにくいので、水族館の水槽すいそう自動販売機じどうはんばいきの窓などにも使われています。

アクリル板ってどうやって作られているの?

アクリル板は主にポリメタクリル酸メチルからつくられたアクリル樹脂じゅしでできています。これらをもとに、2つの方法で作られます。

キャスト法

液体の原料をガラス板の間に流し込み、あたためて板状に固めます(セルキャスト法といいます)。もしくは、ガラスではなく、回転するベルトの間を通して作る方法もあります(連続キャスト法といいます)。

押出法

固体の原料を機械であたためて溶かし、すきまからけた原料を押し出し、すぐに冷やして板状に固めます。

アクリル板をリサイクルする3つの方法

新型コロナウイルスへの対策が少なくなった今、いろいろな場所に使われていたパーテーションが、大量に捨てられてしまうかもしれません。そこで、大切な資源を無駄むだにしないために、リサイクルやリユースが呼びかけられています。

マテリアルリサイクル

粉々に小さくして、熱で溶かすなどして、もう一度使う方法。「材料リサイクル」とも呼ばれます。押出おしだし法で作られ、よごれやシールなどがないアクリル板が対象です。

ケミカルリサイクル

熱や薬品を使って化学の力で分解して、ガスや燃料、原料などにつくり変える方法。「化学的再生法」とも呼ばれます。多少の汚れがあってもリサイクルすることができます。

サーマルリサイクル

燃やして発生するエネルギーを有効活用する方法。「エネルギーリカバリー」とも呼ばれます。エネルギーから蒸気や電気をつくることができます。汚れやシールなどがあっても問題ありません。

(参考)リユース、アップサイクル
リユースとは、一度使ったものを捨てずに何度も使うこと。いらなくなったアクリル板は必要な人に売ったりゆずったりすることもでき、そのままり返し使うことができます。他にも、工作などして別のものを作る「アップサイクル」と呼ばれる方法もあります。

アクリル板の回収で注意する点

アクリル板をリサイクルするためには、まず原料や作り方などによって分別が必要です。その種類によって回収方法やリサイクル方法が変わるからです。しかし、それを見分けることは難しく、よい方法を見つけるために研究がつづけられています。

(参考)パーテーションの原料
アクリル樹脂以外にもポリ塩化ビニルやポリカーボネートなどいくつかあります。

(参考)混同されやすい「アクリル」という表現
名前に「アクリル」が含まれていても、アクリル樹脂とちがうものがいくつかあります。

名前主な使いみち
ポリアクリル酸ナトリウム・紙おむつ
ポリアクリルアミド廃水はいすい処理や下水処理に使う薬品 ・紙を作るときに使う薬品
アクリル繊維せんい (ポリアクリロニトリル) ・セーターや靴下くつした、毛布 (「アクリル樹脂」とは違う種類)

もっと詳しく知りたい場合はプラスチック情報局を見てください。

アーカイブ