公開日:2022.11.10
更新日:2022.11.28
高炉原料化
- 目次
-
- 1. 高炉原料化とは
- 2. 高炉原料化のシステム
- 3. 炉の中を化学的に見ると・・・
高炉原料化とは
製鉄所では、鉄鉱石(酸化鉄) とコークス(石炭を蒸し焼きにしたもの)を高炉という巨大な反応容器で化学反応させ、私たちの社会になくてはならない素材である鉄を製造しています。コークスは、鉄鉱石の主な成分である酸化鉄から酸素をうばう役割(還元という化学反応)を果たします。
使用済みプラスチックは石油を原料にしているので、炭素と水素からできています。この化学的特徴を生かし、工夫して使えば、使い終わったプラスチックを製鉄所でコークスの代わりに使えるかもしれない、と考えて開発されたのが、高炉原料化というリサイクルの方法です。この方法だと、貴重な天然資源である原料炭の節約ができるとともに、水素の有効利用が図れるため、排出されるCO2の削減ができるという大きな利点もあります。
高炉原料化のシステム
スライドして動きを確認してみてね!
炉の中を化学的に見ると・・・
出典:一般財団法人家電製品協会
副原料として炭の粉を入れると、COガスが発生する。
↓
COガスは炉内の鉄鉱石の酸素をうばい、CO2になる。
↓
プラスチックが高温でガス化され、COとH2になる。
↓
H2は鉄鉱石の酸素と反応して水(H2O)になる。H2Oができる分、CO2が減る。
↓
鉄鉱石は、Fe2O3+3H2→2Fe+3H2Oとなり、銑鉄と水ができる。
アーカイブ